2023年10月20日金曜日

横浜市後見的支援制度勉強会

障害者後見的支援事業統括安心マネジャーの瀧澤久美子氏をお招きして、横浜市後見的支援制度についての勉強会を行いました。

瀧澤氏は福祉の世界ではとても有名な方で、横浜ろう学校での講演会にも何度か来ていただいたことがあります。

さて、「成年後見制度」というのは1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
いま丁度、「親のお金は誰のもの」という成年後見を取り上げた映画が公開されていますが、成年後見制度は認知症や知的・精神に障害がある方の財産管理や身上保護を法的に行う制度です。

今回の勉強会は、それとは別に横浜市独自の制度である「横浜市後見的支援制度」についてのお話です。
成年後見制度は、後見人になる人が家庭裁判所で法的に決められる事に対して、横浜市後見的支援制度には法律はありません。
また、成年後見制度は、後見人が本人に代わって金銭の管理や契約を行ったり、万が一本院が何かの契約をしてしまった時もその契約を取り消す権限があるのに対して、横浜市後見的支援制度は本人に対して何もしません。

「何もしなかったら、一体何をしてくれるの?」という所が、非常に理解しにくい部分でした。

瀧澤氏と、保土ケ谷区の後見的支援室から職員の方が2名、それぞれの立場でお話をしてくださったところ、横浜市後見的支援制度というのは「直接的な世話はできないけど、障害者の生活を見守ってくれる所」だということが分かりました。

例えば、家族抜きで本人の気持ちを聞き出してくれたり、だいたい一人で暮らせるけどちょっと気にかけて欲しいとか、将来の生活に不安があるので話を聞いて欲しいとか、ポストに新聞や郵便物が溜まっているな、最近見かけないけど元気かな、そういった町内の民生委員さんのような緩い見守りの役割をしてくれます。

その小さな関りの中で、これは区役所に相談したほうがいい、どこか支援してくれる場所に繋げたほうがいい、といった事があれば対応してくれる。
こういった事は、学校に通っている間は先生や周囲の保護者、学校の友達など常に誰かが気にかけてくれているので想像できませんでしたが、18歳になって社会に出てみると人と接点がなくなって、気にかけてくれる人がいなくなった事に気づきました。

費用は無料で、18歳以上の障害者本人とその家族が利用できますので、横浜市にお住いの方は各区にご相談くださいとのことです。

この制度は、だいたいの事は自分で出来るからこそ「福祉制度が利用できない」人たちに、とても有用だと思いました。

とても良いお話を聞けました、ありがとうございました。