2014年9月5日金曜日

茶話会「救急システムについて」

横浜市「将来にわたるあんしん施策」というのをご存知でしょうか。

横浜市は、平成21年度まで障害者のいる世帯へ助成していた「在宅心身障害者手当」を廃止し、平成22年より親亡きあとの障害児者の生活や、障害者の高齢化・重度化に地域で対応するための「将来にわたるあんしん施策」を発足しました。

くわしくはこちらをご覧下さい。
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/shogai/anshinpt/anshinkouhou.pdf

この中で、聴覚障害に関係する事業として、「FAX119番通報と救急搬送時手話通訳者派遣サービス」というものがあります。

これは、聴覚障害者で手話通訳が必要な方がFAXで救急車を呼び、病院に搬送された時に病院に手話通訳士が派遣されてきて、医師等の説明を手話で通訳してもらえる、というサービスだそうです。

この話を最初に伺ったとき、私たちはとても衝撃的でした。

倒れた本人がろう者で、FAXで119番に連絡したら、病院で医師の説明を手話で受けられる??

本当に、そんなことがちゃんと出来るんだろうかというのも疑わしかったのですが、FAXで通報しないと使えないとか、倒れたのが聞こえる人で、通報したのがろう者だと対象にならないとか、手話が必要でも未成年だと対象にならないとか(あとから、そのへんは個々の対応で・・・という話も伺いましたが)。

それで、実際に茶話会を開催し、この制度のお話をした後に聴覚障害者の保護者方に伺ったわけです、この制度を知っていますか?と。

答えは、「NO」「初耳」。実施から4年、周囲を含め、使ったことがある人は1人もいませんでした。

では、救急車を呼ばなければならないときはどうしているかと聞くと
「隣の家に頼んで、代わりに電話をしてもらっている」とのことです。

さて、こんなことでいいんでしょうか。

一番の問題は、障害当事者が「知らなかった」ということです。
そして、障害児を持つ私たち保護者も、「知らなかった」ということです。

せっかくサービスが用意してあっても、当事者が知らないのでは意味がありませんね。
この件については、制度の内容も含め、今後きちんと行政と話し合っていきたいと思います。