学校の行事で、施設見学会がありましたので参加しました。
今回は東京都にある、ろう重複障害者生活就労施設 たましろの郷
という所にお邪魔しました。
ろう重複障害とは、聴覚障害に加え、知的障害、肢体不自由、視覚障害など
様々な障害を併せ持つ事を指します。
たましろの郷では、ろう重複障害者を対象にした生活就労施設で
近隣から通所している方と、施設で生活をしている方がいらっしゃいます。
その他にも、一時的に泊まることができる短期入所の事業も行っていらっしゃいます。
主に、委託清掃や、クッキーの作成販売などを中心に
その人に合った内容のお仕事をされていました。
利用者のみなさんは、私たちが手話が通じると分かると
「どこから来たの?」「この子たちも耳が聞こえないの?」
「横浜、へぇ~遠いね!」 「私の名前は○○よ」など
作業中でも手話や指文字を使って、色々と話しかけてくださいました。
作業体験として
リサイクル新聞紙を使った植木鉢(防水ではないので鉢カバーかな?)を
特別に作らせていただきました。
水に濡れてしまうと溶けてしまうので、水の必要がないサボテンなどをいれると良いそうですよ!
機械は特注品なんだそうです。
障害を持つ方が生活できる施設というのは世の中にはたくさんあるのですが、ろう重複を対象とした施設は、実はほとんどありません。
施設長さんの説明では、全国で5か所ということでした。
全国に36万人の、そのうち都内には3万5000人の聴覚障害者がいて
さらにそのうちの10%くらいは、ろう重複障害者ではないかと言われています。
でも、都内にはこの施設1か所しかないことからも
ほとんどの方は、満足な支援(例えば共通言語が手話など)
を受けることができていないのではないかと思います。
職員の方が施設の案内をしてくださった方のお話で印象に残ったのは
世の中のほとんどのろう重複障害者は、コミュニケーションの方法が違う作業所で働かざるを得ないので、いつも自分の事をわかってもらえない不安を抱えている。
それゆえに人間関係もうまくいかなくなる場合が多いのだけれど、圧倒的にろう重複障害者を受け入れられる施設が少ないので仕方がない。
だから、遠方からここにショートステイに来られる方がいて
ここで同じ境遇のなかま達と手話でしっかりおしゃべりをして気持ちを落ち着けて
また、日常に戻っていくというケースもある、というお話でした。
神奈川県には、ろう重複障害者を対象にした施設はまだありません。
ときわ虹の会は、ろう重複障害者の親の会として
私たちにできることは何かを、しっかり考えていかなくてはならないと思いました。